ゾンビさっちゃんのラブ全開!

もうすぐ70歳になる余命宣告を受けたがんサバイバー。 病室でブログを開設!

感謝は今のうちに

読者になっていただいた夏樹さんにコメントをいただいて、改めて感謝したんじゃ。

あたしは毎日誰かに頼らなければ生きていけない。

昔看護師をしていたからといって、勝手に点滴をつけたり外したりもできんし、ご飯も手元に持ってきていただかないと食べられない。どうしてもしんどい時は、夜中だってナアスコールを押して助けてもらう。申し訳ない気持ちになるが、あまりにも苦しいときは仕方がない。助けを呼ぶ。

その時、走ってくる足音に涙が出る時がある。

その急いでいる歩幅と、ノックの素早さ。「どうしましたか?」の声と、近づいてくる息遣い。あたしの肩に手を置く時の強さや、手のひらの温かさ。

あたしの苦しみをわかろうとして寄り添い、全力で痛みを取ろうとしてくれて、「辛いねねえ。苦しいねえ。」と本気で共感しようとしての言葉が自然に出てくる。

その気持ちに触れるたびに、

「ありがたい。でもごめんね。」

と思う。

涙を流しているあたしを見て、

 

「さちこさん。大丈夫ですよ。私がずっと近くにおるけんねー。はい、ゆっくり呼吸して、手をぐっぱ。ぐっぱ。できる?」

あたしの手を握り、リハビリの真似事をしながら気持ちを落ち着けてくれて、何かしら褒めてくれる。

「さちこさんにもらったお手紙、何度も何度も読んでるんよ〜。私、悩んだらすぐ読み返すの。一番好きなフレーズは、『失敗してもええんじゃ。まあええか!死ぬわけやあないけん!」


あたしは、息も絶え絶えになりながら、つい顔がほころぶ。

笑顔は免疫力、自然治癒力を高める。

そこで、少し楽になる。

「そ!そうやで〜さちこさんの笑顔。可愛いなあ。私大好き。」

また微笑んでしまう。照れちゃう。

「手が温もってきたね。ちょっと痛み止めする?」

痛み止めをするかしないか。自分で決めさせてくれる。

「じゃ、ちょっとだけ」

と言って少しだけ打ってもらう。そして、体の緊張が解けて、睡魔がおそう。それでもナアスはそこにいる。あたしが眠るまでいてくれるの?

申し訳ないから寝たふりをする。寝息を立てる。

すると、外に出た腕を布団の中にそっと仕舞い込んでくれて、胸のあたりのお布団を優しくトントンと叩いて、本当に眠ったかどうかを確認し、おそらく愛情いっぱいにあたしの姿を見て、それから静かにカーテンを閉じ、そっと出ていく。

あたしは、その時、涙が止まらなかった。

弱っていく人が病院にはたくさん居る。

あたしレベルでいくと、死んでいくことが決まった人間も居る。

この病棟は、まさにそんな人たちが集まっている。

その人たちにたいし、平等に、優しく、厳しく、時間をかけて、寄り添っていく。

ありがたくてありがたくて。


今、コロナで医療従事者の皆さんは疲弊している。それはこちらからも見て取れる。それでも、近くにいる患者に対し、誠実に対応し続けてくれていることに、改めて感謝したい。

あたしなんか、いつコロっと逝ってもおかしくな状況で、ちゃんとありがとうを伝えなくちゃ死んでも死にきれんわ、と思ったけんね。

あたし、さっき、ちゃんと伝えたぞ

そしたら、ドクターに

「こちらこそありがとう。僕は、さちこさんのブログに救われとるよ❤️」

だって( ̄▽ ̄)

誰や?リークしたのん!!


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