ゾンビさっちゃんのラブ全開!

もうすぐ70歳になる余命宣告を受けたがんサバイバー。 病室でブログを開設!

命を燃やした証を作る

いよいよ始まる。

5月22日から24日の三日間を使って、福井のスタジオで「また会えたときに」の録音が開始される。

流行のクラウドファンディングもせず、寄付も募らず、友人知人にも頼ることなく、あたしにもお金の心配をさせず、有志が集まって一大イベントがスタートするのだ。

福井のみーちゃんからのLINEメッセージには、前向きで力強い言葉が並んでいるが、わかってるんじゃよ。相当しんどいってことはな( ̄▽ ̄)

コロナ禍の波をモロに受け、必ずしも順風満帆ではない台所事情。LINEメッセージの誤字脱字が増えることで、余裕の無さがよくわかる。

言葉の端々に、上手くいかないストレスが見え隠れする。

隠しているつもりじゃろうが、こちとらしんどい人を見続けてきた経験がある。すべてお見通しじゃ。

あと数日で本番となると、録音スタジオの選別は終わっているはずで、おそらくそのリハーサルを重ねていて、もしマイクが俳優さんの声質に合わなければ、予備を準備しているだろうし、座って録音するのか、立って録音するのか、それによってスタジオのレイアウトも変えなくちゃいけないだろうし、空調の管理や、部屋の照明のバランスや、ヘッドフォンの装着具合や、今時だとコロナ対策も完璧にやらないと、狭い部屋だと全滅の恐れある。

 

そして本番、その時現場で起きる様々な問題をどうやって解決していくかの検討をして、対策し、担当者を決めて、対応できるように育てておかないといけないし、俳優さんに渡す脚本の文字の大きさの修正とか、俳優さんたちのメンタルを上げるためのメッセージのやりとりとか、スタジオの入り口にお花を手配してテンションを上げさせる演出を考えたりとか、録音が終わってからの安全な打ち上げ場所の選定とか、考えても考えても出てくるのが、一発勝負の現場と、人材の配置。人の置き所を間違えると、致命傷になったりする。

イベントの成功の鍵は、適材適所だ。その場所のプロを、完璧に配置しなければ、そこが蟻の一穴になって壊れて行きかねない。

このイベントは、看護師が集まってやるクリスマス会の比ではない。いや、、あれも結構しんどかった。。なぜか壊し屋がおってな、やろうとしたことをことごとく破壊していく人がいた。壊して行きたくて壊したのではなかった。彼の名誉のために言っておくと、完璧主義やった。

患者さんに喜んでもらうために必死に考えて、演出をするんじゃが、日々忙しい看護師たちは、そこまでの熱意を持ってことに当れなかったのである。

患者さんを喜ばせたいのは山々じゃったけど、歌の苦手な人にも強要し、演技の苦手な人にも恥ずかしい思いをさせた。ど根性の演出家だったのだ。

気持ちはわかったが、誰もそこに喜びを見出せなかった。。。

そうなのだ。

表現する現場には、押し付けがましい演出はいらない。

現場でプロ同士が表現を称え合い、お互いの表現を楽しみつつ、細かく修正を加えつつ、より良いものを全員で作り上げていくのが、良い作品作りの方法だと思う。その情熱同士のぶつかり合いなら、どれだけ戦ってもいい。

そして、この脚本の完成度は凄まじいものだった。

テレビドラマの脚本家の方があたしの拙い物語を、素敵なシナリオに仕上げてくださった。この感動は、物語を書いた人にだけわかる感動じゃ。みなさん、申し訳ないのう。あたしが独占しとるよ。

この、脚本家の岡庭ななみ様。とても腰が低くて、心が熱くて、情に厚くて、短い期間中に、締め切りを守って仕上げてくださった。

ブログもすべて読んでくださり、あたしの気持ちも汲んでくださり、あたしの表現を壊すことなく、パーフェクトに寄り添ってくださった。

人の気持ちに寄り添える脚本家は強い。おそらく、素晴らしいお師匠様に教えを請われたのだと思うのと同時に、ご自身がかなり若い時、相当な心の苦労をされてきたのだと思う。人の痛みをわかり、そこに全集中できるのは、残酷を経験した炭治郎だからこそなのだ。

ちょっとずれた。。

戻す。

さらに言うと、こんな無茶なお仕事を引き受けてくださった心意気に惚れた。

シナリオが80枚を超える大作で、締め切りまで3日。

プロはすごい、という言葉だけでは表し切れない、壮絶な集中力と愛。

これを知った俳優さんはどう思うか。

あたしも表現者の端くれとして、痛いほどわかる。

受け取ったバトンを、次に渡すために、死ぬ気で走る。全力で、真剣に。

録音の3日間が、どうなっていくか、考えただけでもゾクゾクする。

あたしはそばにいることはでけんけど、福井のみーちゃんのスタッフさんが、きっと動画を撮影してくれて、うまいこと編集してあたしに送ってくれるはず。(さちこの希望です)

生々しい現場の映像はラジオドラマが終わってから楽しみたい。ジャッキー・チェンのNG集の魅力を越えた映像も期待したい。

贅沢な希望かも知れんが、関係者のみなさんが、このイベントを楽しみながらやってくださり、思い出を作ってくださり、コロナに負けずに制作した誇りを得てくださり、何より自分自身の命を燃やした証を作っていただきたいと思う。

あたしは、あたしで。

 

この毎日の吐き気と悪心を『つわり』と思って耐え抜く。

産みの苦しみを共有できるなら、あたしは耐え切れる!

 

 

▽オットの手記による、実話を元に、ドラマ脚本書いています▽