ゾンビさっちゃんのラブ全開!

もうすぐ70歳になる余命宣告を受けたがんサバイバー。 病室でブログを開設!

伝道師になるには

ずいぶん間を空けてしもうたの。

ここ数日間、ほぼ夢の中におった。

眠れるんじゃよ。寝ても覚めても、夢の中。

ドクターは、驚いてるわね。

そりゃそうだわ。その間、治療らしい治療はしとらんけんね。

「ぼうっとするアレも、気持ち悪うなるアレもやめとくれよ」

と拒否して2週間くらいは、悶絶の日々じゃったが、自分でも峠を越した感があって( ´∀`)

いや、越してはいないんじゃが、そんな気がするってやつよ。山を登って、登り続けて、ようやく頂上か!と思いきや、まだ先に道があって、少し下って、尾根づたいに更なる上り傾斜が見える、、、まだてっぺんちゃうんかーーーーい!!そんな雰囲気な。

じゃが、確かに前よりは楽!!

だからたくさん記事が書けるぞ!

と思ったら大間違い。


眠い眠い。。。。


目が覚めた途端に眠くなる。

そして、お腹が空く。

さらに、、大量の汗をかく。

極め付けは、声が大きゅうなったともっぱらの噂。

舌はまだもつれるけど、少ししゃべれるようになってきたのもある。


「さっちゃん、あんた、前より顔色ようなっとるわ。。」

といっちゃんがあたしを喜ばせたり、


「どれどれ。お。ほんまやのう。ええ顔になってきとるわ」

と、違う病棟にいるドクター櫻井(仮名)。⇦看護師時代のあたしの弟分

病室を出ていくとき、振り返ってにっこり笑い、

「ブログ、読んどるよーさちこさん。ラジオが楽しみじゃの!」

と声援をくれたり、


隣の病室から、車椅子でわざわざ訪ねてきてくれたのは70過ぎの先輩サバイバー。みんな"先生"と呼んでいる。元、小学校の先生さ。

エアーポッズとは何なんか?」

という質問をしに、わざわざおいでくださる人もおる。ブログの記事の中で、気になったところをそのままにしておけない性格での。超可愛い。


「うん。このエアーポッズはねぇ、こうやって耳につけて(つけさせる)、えーちょっと待ってよ(検索中)。これで、、(再生)どう?」

YouTubeで、都はるみさんの「涙の連絡船」を検索して再生すると、イヤフォンのコードを繋がなくても当時の音源で美しく流れてきて、それが耳に飛び込んでくる。この機能をブルートュースと呼ぶ。

先生(隣の患者さんの愛称ね)は最初びっくりしていたが、聴き進むうち、だんだん涙を滲ませていき、曲の終わりごろに、胸の前で手を合わせてゆっくりお辞儀をされた。

それをみてあたし、

「何か違うのもう一曲聴いてみる?」

うなずく先生。嬉しそう。耳で聴きながら、往年のはるみちゃんをスマホの画面で眺めながら、今、という余生を楽しむ元教師が一人。10曲ほど、あたしのとっておきの懐メロを流して、エアーポッズコンサートじゃ!

もちろん、大満足で戻っていった。ナアスも心得たもんで、あたしがこうして誰かに何かを伝えている時は、黙ってみているか、気配を消して待っている。

「ありがとね。さっちゃん(o^^o)」

というアイコンタクトで部屋を出ていくナアスと、歌い切った(歌ってないけど)充足感のあたし。

「さながら伝道師じゃな。。。」

ふとそう思った。

そうじゃ。伝道師になるには、まず、自分がやってみないとあかん。伝える人になるには、本を読んだり、人に聞いたりしたことを、頭で考えて想像を膨らませて結論づけて、人に話してはならない。その場所に行ったり、それを使ってみたり、実際に体験してみて、それがどれだけおもしれぇことなのかを観察して、繰り返しやってみてだんだんわかってくる。

わかってはくるが、全貌はわからん。

わからんからまた興味を持つ。失敗するときもある。悔しいからまたやってしまう。あたしの場合は、諦めると何となく勿体無いけん、惰性でも続けてしまう。

続けていくうちに、やり方は一つではないことに気づいてくる。

すると、さらに面白うなるもんで、また違う実験が始まる。

人間というものは、こうやって面白がりながら試行錯誤をしながら文化を生み、育み、成長させて、長い時間をかけて大きな文明を作っていったのかもしれん。

そう思うと、「興味を持って面白がる」という人の力というものは素晴らしいと、改めて感動ひとしお。

たとえ、自分が生きているうちにできなくてもいい。自分が人生を賭けて、面白がってやってきたことを継承してくれる人が一人でもできれば、それはもう伝道師じゃ。

人は、それぞれ生きる場所も、育ててもらう親も、出会う友達も、食べるものも、言葉も、肌の色も、心も、体も、頭の中も全部、違う。

だから面白い。だから奇跡が起きる。

数億分の1の確率で出会う友が、面白がって人生を謳歌しているのをみた時、おそらく羨ましいと思うじゃろうて。それを自分も体験してみたい。自分も一緒に楽しんでみたい。自分のために、動き始めるきっかけになる。

そのきっかけが大きくなって、世界の大事業と変化するかもしれない。

人生を謳歌していた友はこの場合、伝道師にあたり、一緒に楽しみたいと思った自分は師の教えを受け取った人。

その教えが、やがて世界を一つにするとは気づかず、さらに言えば、経験を重ねていき、いつの間にか自分が伝道師になっている。

まずは、一緒に楽しむこっちゃ。

誰のためでもない、あ、楽しそう。面白そう。やってみたい。

そう思ったら、伝道師への道が開いたと思えばいい。

素直にやって、続けて、ダメなら次にいけばいい。

人生、ゆるーく、真剣に、面白がって進もうぞ。


と言いつつあたしは眠りの国へ。

(眠りといっても永遠のアレじゃねえ。まだくたばらんでな。安心せえよ〜〜)

〜 ゾンビより 愛を込めて 〜



▽オットの手記による、実話を元に、ドラマ脚本書きました▽
 いよいよ6月10日、音声ドラマになってブログ公開!!