ゾンビさっちゃんのラブ全開!

もうすぐ70歳になる余命宣告を受けたがんサバイバー。 病室でブログを開設!

【速報】天国からの手紙

姪っ子ハルが、血相を変えて病室に入ってきたのがお昼過ぎ。我が家に届いたと言って。

 

「これ、さっちゃんにやけ。んっ」

 

と言って差し出したのは一通の手紙じゃった。

私宛なのに、住所はハルの自宅ってなんでじゃろう。

なぜこんな面倒なことを、、誰からじゃ?

裏を返して思わず息を呑んだ。

 

・・・のぶさんからじゃ。あたしの時が止まった。

 

 

ハルは大きな声で

 

「なんしょん?早う開いてょ!」

 

とせわしい。。

自然に手が震えてうまく開けることができない。落ち着いてるつもりが、心が動揺している。届いた今日は6月25日。あれ、これなんの日じゃったか。。。記憶の片隅に残っているこの日付。

 

「さっちゃん!もう!うちがやるけぇ、それつかぁせ!」

ハルも手紙を開こうとするが、ぴったりくっついて離れない糊はなかなか剥がれない。ナアスがこの騒動に気をつかってハサミを持ってきてくれて、結局開けてもらった。

「あたしはもう涙で前が見えんけ、ハル、読みんせ。」

 

ハルは躊躇なく読み始めた。

 

 

さちこへ

 

元気でいてくれてありがとう。

 

この手紙を読めるということは、この世におる!ということじゃな。良かった。

 

覚えておるかな?あの約束。

僕が死んでも、君に寂しい思いはさせない。
と長野の旅で誓ったことを。あれから1年かけて少しずつ準備をしてきたし、これからも少しずつ足していく。平たくいえば、僕の手帳をデジタル化している形になる。

 

この手紙を読み終わったら、もし僕がそばにいるなら「パソコンのあれ、見せて」と直接言えばいい。
もしそばにいなかったら、パソコンを開いて欲しい。そして、デスクトップにフォルダがあるのでそれを開くこと。
君が操作できないなら、ハルにやってもらって「6」というフォルダを開いて、その中にある「2」というフォルダを開いて、最後に「Go」というフォルダを開くと僕がまとめた、ある文書ファイルが入っている。

これをどうするかは、君に任せる。まずはゆっくり読みながら、楽しんで欲しい。本当は、会話の中で、君と一緒に楽しみたかったが、もう声が出なくなってしまった。

君との会話を楽しむことができなくなってしまった。

そうなっても、君が笑顔でいられるようにするにはどうすればいいかを考えた末、思いついたのが、このタイムカプセル方式でのプレゼントだった。ただパソコンに入れておくだけでは開く可能性も少ないから、こうしてタイムカプセル郵便を使わせてもらった。

 

今まで君に話したことはもちろん。未発表の野田さんの奇跡話も入ってるし、僕の教育論や、あらゆる情報網から引っ張り出してきた面白いネタが詰まっている。

懐かしんで、楽しみながら、祥子の灰色の頭脳を遺憾無く発揮して、推理して欲しい。

 

一つの答えが導き出せるはずだ。

 

もし僕がそこに居るなら聞いてみて欲しい。

 

「なんで今日を選んだの?」

 

て。

僕はこう答えるから

「君にはいつも笑っていて欲しいから。今日も明日も、明後日も」

 

ってね。

 

のぶより

 

 

途中、ハルの上擦った涙声で聞き取れない箇所が多数あったが、またもや粋なサプライズを施しておったオット。どれだけあたしを喜ばせようと頑張ったのか。天国に行ってからもあたしにメッセージを届ける計らいは、あなたらしいし、素敵じゃよ。

「しかし!生きていて欲しかった!!隣にいて欲しかった!のぶさんが居るからあたしは笑えたんじゃからな!!そこんとこ、忘れんじゃねえぞ!!!バッキャロー!!笑えるかい!大泣きじゃーーーー!!!!」

失礼。。。素のゾンビが顔を出しちまった。一つの答えなんて簡単じゃよ。のぶさん。読まんでもわかる。

「あたしが幸せであることが、あなたの幸せだってことでしょ?ほんっとに可愛いんじゃから!!あんたって人は!!!」

こういうこと書くと、さっちゃんまたのろけとるーと揶揄されるがそれはもうしょうがない。あなたの考えることや、行動すること、全部あたしを喜ばせることに繋がってるんじゃもん。答えは簡単じゃ。真実はいつも一つ。

 

そういえば、3年前といえば、あたしが重い病気を患って大変だった時。のぶさんも声帯を切除する大手術。その時自分の寿命が見えたのかもしれん。

酷く落ち込んでおったが、あたしは何にもしてやれんかった。お遍路巡りで少し元気になって帰ってきたが、そこから少しずつ痩せていったもんな。。

 

「さっちゃん。パソコンどこにあるんじゃ?中を見てみゆーじゃろ?」

 

ハルが泣きはらした目のまんまあたしに言った。

あたしは、今はまだいい。と言って断った。ハルは察してくれて、わかったよ。自分でできるね?と言って手に取れる場所まで持ってきてくれた。

これを開く勇気が出るまでは、あたしはもっと元気にならねばならない。

今は、まだ、のぶさんへの感謝に浸らせて欲しい。

この件に関しては、皆様にちゃんとご報告させてもらうけ、待っててくんせ。

取り急ぎ速報はこれにて終わりじゃ( ´ ▽ ` )

びっくりさせてすまんかった。(いや、あたしが一番びっくりしたわ)

 

 

追伸

 

http://www.yushu.or.jp/tegami-project/capsule/

 

タイムカプセル郵便

オットが使ったあたしへの手紙は、これじゃな。

びっくりさせていただきましたよ。

こんなシステムがあるなんて!

人の心が元気になるサービス。皆様もよかったら使ってみてください。大切な誰かに、大切な自分に。

タイムカプセル郵便さん。ありがとうございました。

〜ゾンビより愛を込めて〜

 

藤田朋子さんにご出演いただいた音声ドラマ「また会えたときに」

↓の再生ボタンより視聴可能ですので、ぜひお聞きください。

soundcloud.com

<Podcastはこちらから>

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