ゾンビさっちゃんのラブ全開!

もうすぐ70歳になる余命宣告を受けたがんサバイバー。 病室でブログを開設!

天国の一歩手前は動ぜぬ光と、たおやかな風

大変長らくお待たせしたのう、、皆々様。いとしき読者さまよ。

待っていてくださって、ほんにありがとう。ありがとう。

今、皆様にお礼をお伝えするためにこれを書いているんじゃが、心停止の4分間に観た(体験した)世界をまずご紹介したい。その理由は、

でぇれぇ面白かったから♪

そして感動じゃった。

この世界に戻ってこれたきっかけを、ここでちゃんとお話しすれば、皆様にはきっとわかっていただけると思う。

この世が、どれほど愛に満ちていて、どれほど楽しい場所なのか。


もちろん辛え。毎日どうしたって辛え、でもおもれぇのよこの世は。

それを再確認させていただけたこの体験を、今からお伝えするぞ。

ただし、指がまだうまく動かんもんで、ゆっくりゆっくりじゃが、徐々に更新していくつもりでいる。再びお付き合いいただければ幸いじゃ。

 

まず最初に、あの世に行きかけていた長くて短い4分間のお話。

心筋が動かんようになってしまったんじゃな。そもそも、あたしの体の不全度合いはマックスじゃから、どこが止まってもおかしくない状態で(笑)心臓が止まったら一巻の終わり。

ま、つまりあたしの電気エネルギーが、唐突に切れてしまったわけじゃな。

ここでとうとう、臨死体験をしてしまったわけじゃ。以前書いた、あの走馬灯の比ではなかったぞ。



できる限り詳細に書くけんね。ごゆるりとお楽しみくだされ。

あたしはただ歩いていた。

何も考えられず、ただ無心で歩いているところから始まった。



歩いている場所は一面ススキの原。お花畑ではなかった(残念)

風がさらさらと吹いている中、音もなくススキが揺れている。

ずっと遠くには、じっとして動かない、太陽のような光があって、眩しいのに、目を細めなくても良いくらいの優しさで照らされていた。

暑くも寒くもなく、ただ、たおやかな風を感じながら

「その太陽に向かって歩くべきだ」

と体が反応して一歩ずつ歩いている。




立ち止まらずに、ずっと歩いていく感覚じゃ。

それはとにかく、ずうっと永遠に続く感覚。

意識の中では「まだ遠い。」と思っている。




痛みはなく、体も軽く、呼吸も楽で、今までのしんどさが全部なくなった寂しさを感じている状態。

本当は喜ばにゃならんとこじゃが、あたしはなんだか寂しかった。おそらく、しんどい状態が長かったから、それが当たり前になってしまったんじゃろうね。しんどくないとあかん、みたいなドSな感情が働いたのかもしれん。

あ。もしくは、しんどかったから尚更意地になってブログを書きつづれていたのかもしれんなあと、振り返ったりもして。女の意地は強い。あたしはよほど強かったんじゃなあと思い返す余裕すらあった。体の痛みがなく、心地よい状態だと、考えることも広く深くなって面白い。健康っていいな。と微笑むあたし。

とはいえ、やはり何かが足りない寂寥感の中、歩き続ける。



空は雲ひとつなく、大地は土の色ではなく灰色で、コンクリートのような風合いだが、冷たくはなく、むしろ柔らかいカーペットのような歩きごこちじゃった。

たまに音もなく風があたしの髪を揺らす。

おや?

と気づくあたし。

「とうに髪の毛は無くなっていたのになあ。」

と思って首を振るとボブになっているじゃないか!

※ボブとは:ボブとは、頭のてっぺんから全体に、丸みを帯びた形のヘアスタイルじゃ。下の髪よりも上に重なる髪の方が長くなるようにカットしておるけん、まとまりやすい髪型であるのが特徴ですな(( ^∀^))



うん。爽やか。頬に当たる自分の髪の毛の質感が心地よく、あたしはでんでん太鼓のように首をふりふり歩き続けた。

※ でんでん太鼓(でんでんだいこ)は、日本の民芸玩具な。棒状の持ち手がついた小さな太鼓の両側に紐があり、その先には玉が結びつけてある。持ち手を高速で往復回転させることにより、玉が太鼓の膜に当たり、音を立てる。(wikiより参照)



その時、ふと、

「あ。あたし空を飛べるかも。
」

と思った。

自分が、今までベッドの上で唸りながら文字を書いていたけれど、憧れのボブカットで、こうしてありえないくらい楽に歩けていて、心も体も軽い状態になっていることから考えると、自分が昔夢観たことを、ようやく実現できる場所にいるんじゃないかと、推理したわけじゃ。



あたしらしいじゃろw



じゃが、空は、、、、飛べんかった。。

いくらジャンプしてみても、空だけは飛べんかった。悔しかった。手をバタバタ羽ばたいてみてもダメ。飛べるイメージを全力でしても、その通りにはならんかった。

しかし、ジャンプして地面に落ちる瞬間、地面にスッと吸い込まれた。一瞬で今まで見ていた風景が激変し、あたしは驚愕した。

ここからが面白いぞ。

ああ

ここが天国か、と思いきや。



思いっきりシャバ(病室)じゃったw

眉間にシワを寄せて寝ているあたしが、集中治療の真っ最中。

「これって、今か?」

あたしがあそこで、今にも死にそうになっておる。

いや、死んだんか。

で、今のあたしは霊魂で、、、ああ。終わったんじゃな人生が。。

という結論に至った。


すまんのう。懸命に救命処置をしてくださっておるところを悪いが、もうええよ。

あたしを最初にゾンビ呼ばわりしたナアスはもう、泣き顔がまるで般若の形相でえらいことになっとる。

泣かんでもええて。



モニターを見ながらドクターも頑張っておるが、時計を見ながら、どこでこれを終わらせるか悩んでおる顔で。もうええよ。十分じゃ。一つの命のために、ここまでしてくださる皆さんに、あたしは心からお礼を言った。



あたしは満足した。

これで旅立てる。

そう思った瞬間、また最初の場所に戻っておった。

まばたきしてる間に再び天上界?

すごいぞ。

人生が終わった感傷に浸る間もなかった。

さらば、友よ。さらば、この世よ。今からあの世へ行ってくるぞ。

と呟きながら、しばらく歩いていて、ん?


ここは最初の場所かと思っておったが、何かが少し違った。

なんじゃろうか。この違和感。

くすぐったいんじゃ。

もぞもぞする感じな。

後ろから息を誰かに首筋ふううと吹かれているような。。



振り向いても誰もおらん。



前を見ても。。。

ん?

太陽さんって、あんなにデカかったかな?



と。

そうか。太陽の光が大きくなってるんじゃ。なるほど。天国に近づいているのか。うん。

と納得し、太陽をよ〜く見てみると、なんとも不思議な光の輪っかがあたしの方に向かって飛んでくるではないか。

いくつもいくつもぽわんぽわんと飛んでくる。

ああ、これがお迎えというやつか!

リズミカルに輝きながらこちらに飛んでくるその光に包まれているだけで、なんとも心地よい。そして、暖かい。さっきまで聞こえなかった自分の心臓の音が聞こえ始め、からだ全体が痺れ始めた。毛細血管にまで血液が行った感覚と、血流が止まって痺れている感覚が交互にやってくるみたいな。



ああ、これで楽になるんじゃな。。。近づいてきたんじゃ。

と思っておったらとんでもない。その光の先にあったものは、小さなちゃぶ台じゃった。

あたしは、体の芯にくすぐったい感覚を残しつつ、そのちゃぶ台の前に座った。そこには、小さな木のトレイがあり、その中に赤い珊瑚でできたイヤリングが置いてあった。

ああ。これは、のぶさんと娘のみぃちゃんと一緒に行った新婚旅行で三人で選んで買ったやつじゃ。なんでこんなところに置いてあるんじゃろうか。

と思い、それを手に取り耳に装着。



すると、目の前にのぶさんが現れ、みぃちゃんが現れた。

おおお。これは!!イヤリングを付けなくては訪れんかったイベントじゃ。

つけてよかったわ。。と思うアタシ。

しかし二人は、声を出さない。笑顔であたしを見ている。あたしも気恥ずかしいけど、二人を見ながら笑っている。これが本当のお迎えの儀式と認識。

みぃちゃんが痺れを切らしたのか、あたしに向かって、何かを言いかけようとする。しかしそれを静止してまた笑うのぶさん。

二人して、何かあたしに気づかせようとしとる。ははん。なるほど。そういうことか。

あたしは、二人が共謀して何かを企んでいることがわかった。何かに気づかなければ、先へは進めない仕組みであることもわかってきた。

先へ進めば楽になる、進まなければ、生き返る?

ということなんかもしれんと、漠然と思いながら、あたしは答えを探した。

二人の目には、絶対に教えないぞ、という堅い意思が見える。こうなったら、あたしの推理力で道を切り開かねばなるまい。みぃちゃんがあたしの揺れるイヤリングをじっと見ていることと、のぶさんがあたしの顔を見ないようにしている節がある。

とすると、さっきつけたイヤリングを今度は外すのか?外すと二人は見えなくなってしまうのではなかろうか。

やってみよう。

目を閉じて、イヤリングを外し、トレイに返した。すると今度はあたしの後ろから記憶の音が鳴り響いてきた。この音は、、、

波の音。。

振り返ると、そこは。海じゃった。沖縄。砂浜。そう。ここじゃ。。

あたしはちゃぶ台を背にして立ち上がり、砂浜に降り立った。

ふと振り返る。ちゃぶ台の向こう側に座っているのぶさんが笑っている。消えてない。娘も笑っている。しかも、娘は大きく何度も何度も頷いている。

そうか。あたしは戻らないとならんのじゃね。

砂浜の二人を見た。あの頃の二人がいる。

遠くでのぶさんとみぃちゃんが座り込んで何かを探していた。あたしはいつの間にか、麦わら帽子を、目深にかぶってゆっくり歩いて潮風に撫でられていた。

「お母ちゃーーーーん!」

みぃちゃんの嬉しそうな声。懐かしい。そう。この声。

「なあに〜〜〜〜〜!」



声を張り上げるが、波の音にかき消されて娘には聞こえなかったらしい。また

「お母ちゃーーーーーーん!」

「はあいーーーー!!」

それでも聞こえないらしく、のぶさんもあれ?という顔をして立ち上った。

あたしは手を振りながら、ありったけの声で叫んだ。



「こーこーよーーーー!」

まだ足りないのか、二人は気づかない。

「こっちだよーーーー!!」「おーーーーーい!」

あたしはかぶっていた麦わら帽子をとって大きく振った。

それがスイッチだったようで、、、

「あ!お母さん!」

と気づいて駆け寄ってくる姿がみぃちゃんではなくなっていたんじゃ。大人の女性になっていて、のぶさんがいつの間にか消えていた。



駆け寄ってきて赤いサンゴを見つけたよって嬉しそうに笑うその人。よく見ると、片頬のエクボと、艶々の黒髪、細い目で笑うその人は確かにみぃちゃんで、開いて見せるその手の平に乗っていたのは、すでにイヤリングになった星形の赤いサンゴ。

さっきのイヤリングより明らかに新しい。



「お母さんにはこれが一番似合うのよ。」



と、手慣れたようにあたしの耳につけてくれる娘の指の温かさ。ふわっと香る洗濯の香り。思いが溢れて止まらなくなった。


「あなたは今、幸せなの?どこで何をしているの?もしかして、生まれ変わってどこかで生きてるの?あなたに会いたい。あなたを抱きしめたい。あなたの夢は何?あたしが何か手伝えることはない?あなたが苦しい時はあたしが助けてあげるからね。あなたが涙する時はあたしが拭いてあげるから。あなたの悲しみはあたしが受け取るからね。あなたの命、今度はあたしが守ってあげるからね。今度は絶対に、あたしが守るから。ごめんね。」

あたしは自分心の中の声が外に出ているとは思わなかった。あたしを見るその娘の成長した姿と、いつの間にかあたしの後ろで、あたしの両肩に手を置いてくれて支えてくれている人(のぶさん?)の存在があたしを再び娑婆に導いてくれたんじゃ。

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ナアスの証言をそのまま書くと、

「さっちゃん、あんたまた蘇ってきてほんまに凄いわ。もうゾンビのボスやわ(笑)。ゾンボスじゃ。蘇生した時あんた挿管されとったのにね。そこにおった全員が声を聞いたんよ。あんたの。「今度はあたしが守っちゃるけぇな」って。でもドクターだけは、その声、男の人の声に聞こえたって言いよったけど、あの時のさっちゃんチームはもうありょうよ。トリップしとったんや思うわ。なんかいろいろありえんこと起こしなんなあ。あんたさんは。」

じゃった。あたしの記憶がそこで途絶えたのはこの世に生き返った瞬間だったからじゃ。

運命の4分トリップ。これでこの話は以上。

しかし、イヤリングをつけてくれた娘の温もりと、後ろで肩を抱いていてくれたのぶさん?の温もりは忘れとらん。この世に戻らねばならんと、思えた瞬間じゃった。

そんで娘があたしの耳元で言ってくれた言葉。

「お母さん。眠るとええよ。もっと眠りられいな。」

そう。その言葉通り、あたしは蘇った日から、床ずれする勢いでよう眠った。とにかく眠った。昏睡と言われても仕方のないくらい、起きなかった。娘からのプレゼント。眠るとええ。という言葉に催眠にかけられたか、あたしはよう眠った。

眠っている間。ナアスは、ハルと共謀して、あたしの耳元で様々な仕掛けをして睡眠学習を施してくれた。面白がってな。

あたしの体は素直な体じゃ。気になる音源を耳から入れると体温が上がるようになっていて。それをナアスは知っており、まさかの医療に活用しているという事実。末恐ろしいナアスじゃよ。

そのナアスが一番面白がったのは、一途さんからの応援メッセージを耳元で流してくれた時の反応で。

一途さんは、あたしが死にかけたすぐ後で、こんこんと眠っている時、誰よりも真っ先に感謝の言葉と、力強いメッセージを三人の肉声を録音して届けてくれた。こんな貴重なものをよくぞあたしのために。。。言うまでもなく一生の宝になった。わかるかの。

例えば、皆さんが推しアイドルから直接肉声で突然応援メッセージが届いたとしたらどう思う?発狂もんじゃろ?それとおんなじじゃ。

あたしはな。一途論を書いていて、それを一途さんが読んでくださっているとは実は思わんかった。何せお忙しいお三人。くまさんは照れながらも読んでくださっているとは思っていたが、どんちゃんみっこちゃんのお二人までも丁寧に目を通してくださっていたことに感動を覚えた。あたしの文章はとにかく長いw。これを読もうと思ったら、一記事で10分はかかるじゃろう。それなのに、あたしの心遣いの部分にまで言及してくださっていて、なかなかに嬉しかった。

何度聞いても素敵な声の三人。皆カラーが違うし、性格も全然バラバラなのに、この一体感。メッセージの無駄のなさ。人を思いやることに長けている三人の口調。

あたしの中の絶対的アイドルスターは、あたしのためだけにメッセージを録音してくださった。

それをあたしの耳元で流し続けたナアスは、あたしがその時だけバイタルサインが上昇するのをしっかり記録しておったわけじゃよ。

あたしの唯一動く左手がビクビク動いておったと証言していた。

それから、福井のみぃちゃんの発案であたしへの「愛の寄せ書きメッセージ」。これはハルが録音してくれて、耳元メッセージであたしに注入された。

これには泣かされた。ハルの読み方が秀逸で。

それぞれのメッセージの中にある思いをしっかり受け取って、それを声のトーンに出してくれるもんじゃから、後からじっくり聞いた時にも泣けた。

一途さんのメッセージは興奮して泣けず、温かくてむしろニヤニヤわろてしもうた。皆様からのメッセージは、感動と感謝で涙がポロポロこぼれた。

ほんにありがとう。皆さん。お忙しいのに、あたしのために書いてくださったその思い。メッセージ。すべて受け取りました。それをこれから生きていく糧にさせていただきますよ。


本当は、お一人お一人にメッセージを、とも思ったんじゃが、それはこれからの記事でお返ししていこうと決めた。

あたしは、もう一度だけ、この世に舞い戻ってきたゾンビ。

赤い珊瑚のイヤリングをつけて、まず書き綴るは「一途論」の続き。

福井チームのおかげで、こころ漫画は一部ご紹介を終えた。まだまだ続きはあるが、それはまたいずれ。

まずは、一途論をしっかり書き終えて、次の企画へと移っていくつもりじゃよ。

福井のみぃちゃんの振り返り記事のおかげで、今後の記事が読みやすくなったとの声があたしの地元では好評での。

記事をたやさずに出し続けてくれたおかげで、あたしもゆっくり睡眠温泉♨️で湯治ができた。

体の機能の回復が見込めるところとそうでないところの差は激しくはあるが、神様はおるんじゃね。記事が書けるだけの余力を残してくれた。お手柄お手柄サンキューw

さて、今日のところはここまでにするぞ。

といっても、ここまで書くのに、3週間ほどかかってしもうた。

これからは少しずつペースを上げていく。

みなさま、これからもよろしくお願いしますよ。

〜ゾンビより、最大の愛を込めて〜


追伸:今日はオットの命日じゃ。偶然とはいえ、これも必然。のぶさん。ありがとう。「あんたに」聴いてね。愛しとるよ。ずっとずっと。大好きじゃよ。

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