ゾンビさっちゃんのラブ全開!

もうすぐ70歳になる余命宣告を受けたがんサバイバー。 病室でブログを開設!

一途論 2 〜 HUG 〜

自分を愛するって難しい。

自分を抱きしめるって、とことん下手。

あたしが自分をHUG できたのは、30年前の鈴木さんの人形劇に刺激され、見よう見まねでやりはじめ、紆余曲折の末、あたしのオリジナル人形語りが大盛況!となった時じゃな。



長野県の飯田市で生まれたあたしの誇りは、人形劇という芸能がいつも近くにあったこと。
夏といえば、祭りや花火ではなく、人形劇(いいだ人形劇フェスタ | 日本最大の人形劇の祭典)じゃった。



しかし、ちゃんと始めたのは35歳を越えてから。簡単そうに見えるけど、これがなかなかどうして難しい。

セリフと人形の動きが合わない。
観客の前で演じると緊張で頭の中が空っぽになる。
最初は一人でやる人形劇ではなかったので、メンバーの緊張も伝染してますます固くなる。
誰かのセリフの失敗をきっかけに、話の流れがボロボロになる。
何度も何度も挫けそうになって、耐えきれずヒステリックになる。

仕事の合間にボランティアで始めた事だったが、メンバーが途中でやめていくことに悩み、お客様からのクレームでへこみ、忙しさで練習もできず、本番で大失態で、残ったのは結局あたし一人。



そこでやっと気づくんじゃ。

あたしが悪かったと。



人形劇に燃えていたあたしは、いつもこう思っていた。



これをやればみんなが喜ぶ!
子どもたちを笑顔にできる!
仲間たちとも結束が深まり、仕事にも活かせる!
いい汗をかいた後のビールが旨い!

そう信じていたのに、練習はままならず、仲間たちも離れていき、仕事中も後悔の念で集中できず、ビールも不味かった。。



ある日の夜、オットと夜の晩酌。二人で静かにご飯を食べていた時のこと。娘が大切にしていたウサギのぬいぐるみが、本棚からポトリと落ちた。

それを見たオットの動きが固まり、お茶碗とお箸をテーブルに静かに置き、涙目になって言った。

「みぃが心配しとるぞ。」



と。



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ウサギのぬいぐるみに乗り移ってあたしを心配していると言うんじゃ。

そうじゃろな。今のあたしはアカンもんな。

立ち上がり、落ちたウサギを拾い上げてあたしは、ウサギ(娘)に向かって言った。

「みぃちゃんならどうする?このまま続けられっじゃろか」



すると、ウサギは首をかしげてあたしをじっと見つめてきた。

いや、自分の手がウサギの首にあったから少し動いて傾いただけじゃったが、あまりにもリアルにあたしを見つめるから、ついまた話しかけてしもうた。



「人形劇さ。みんなやめてしもうて、せっかくあんだけ盛り上がって始めたのに。なんでじゃろうか」

するとウサギが喋り始めた。というか、あたしがウサギのぬいぐるみを借りて、勝手に答えていたんじゃの。



「お母ちゃんは燃えると周りが見えんようになるけぇのう。」



オットが驚いた顔をしてこちらを見た。
あたしこそ自分が放った言葉に驚いた。

人形が喋ったと、完全に思えた瞬間。自分で喋ったのに。恐る恐る相槌をうった。



「ま、そうじゃね。周りが見えんようになって、自分の気持ちを押し付けとるんかもやな」



するとウサギはすかさず、

「押し付けてるんじゃのうて、お母ちゃんは自分が出来る事はみんなできると思っとるだけじゃ」



と言った。その時、愕然とした。そんな事、自分では考えもしなかったからじゃ。自分ができる事はみんなができると思っているなんて、思いも寄らんかった。やのに、しっくりきてしもうた。そうか。そうや。確かに、そうかもしれんわ。

オットが面白そうに眺めながら、あたしはその夜、ウサギのみぃちゃんとたくさん語り合った。

結果、あたしが悪かったという結論に至った。

あたしは自分の考えを人に押し付けることをやめることにした。そう決めると、今までそれが酷かったことに気づいた。反省し、気づいたことで、人に謝ることができた。

すると、人間関係が急激にようなってきた。瓢箪から駒。ウサギからみぃ。自分を見つめ直せた機会ができたおかげで、人の気持ちに寄り添うことができるようになってきた。



それからあたしは、人形劇のスタイルを変えた。

ぬいぐるみとの会話で物語を進行させていく静かな静かな人形劇。汗一つかかず、マイクも使わず、照明もなし。ただ、子どもたちの前に座り、ぬいぐるみが話し出すまで待ち、話し出したらそれに相槌を打ちながら、ゆっくり会話をする。
沈黙もオッケー。涙もオッケー。ケンカもオッケー。

最後はちゃんと仲直り。

ただそれだけで、子どもたちは喜んでくれた。また来てねと言ってくれた。拍手をたくさんもらえた。

何より、周りの大人たちが感動してくれた。

そしてビールが最高に旨くなった
♪

ウサギのみぃちゃんは、あたしの傲慢な心に気づかせてくれて、あたしのやりたかったスタイルを見つけさせてくれて、あたし自身が喜ぶ人形劇をできるようにしてくれたんじゃ。



思わず、ウサギのみぃちゃんを抱きしめた。

その時、まるで、自分を抱きしめているような感覚になり、涙が出た。



一途の曲に、HUGという名曲がある。

「あなたのあなたを抱きしめて」

という最後のフレーズが、あたしはグッとくる。

自分の中にある、本当の自分を見つけて、それを抱きしめること。



これに気づくには、あたしは失敗ばかりで遅かった。じゃが、見つけられた時から世界が変わった。

歌詞を追いながら、聴いてみて欲しい。

音を出せんかたは、歌詞を黙読してくだされ。



みっこちゃんが描く物語は、とてもいい。

たくさんの思いを、短い文章に凝縮させておる。これが、歌詞の本領じゃ。

必要な言葉だけがここにはある。

 

曲のダウンロードはこちらから♪

【HUG】

耳をかたむけて
刻む鼓動 流れる血潮 弾む筋肉
あなたのために動いている

耳をかたむけて
騒ぐ本心 イマジネーション 揺れる感情
あなたに語りかけている

静かにまっすぐ今を見つめて
生まれてこれた この奇跡

両手を広げて あなたを愛そう
阻むものは何もない
包み込まれるぬくもりを感じて


耳をかたむけて
風のささやき 木々の呼吸 虫の羽音
あなたのために歌っている

繰り返す 繰り返す命よ
光をまとって咲き誇れ

その胸を開いて 輝き満たそう
背負うことは何もない
包み込まれる やさしさを感じて

大切にしたい その気持ちは強さ
いたわりたい その気持ちは癒し
喜ばせたい その気持ちは幸せ

ああ・・・

両手を広げて あなたを愛そう
阻むものは何もない 
包み込まれるぬくもりを感じて

あなたのあなたを抱きしめて

 


山里さんも大好きだったこの曲。


看護師時代。生前の彼女は、絶対に、親しい人にさえ、ハグをする事はしなかった人じゃった。が、一途を知ってからは、あたしと飲んだ後には必ず山里先輩からハグしてくれた。柔らかくて、あったかくて、いつも同じセリフで。

「さっちゃん。あんたあー、可愛いよう」



あたしはいつも照れてしまい、何も返せんかった。あたしは、当時、自分のことを可愛いとは思ったことがなかった。どこが可愛いゆうんじゃ。と毒づけるほど自分に自信などなかった時代。それでも先輩は、あたしを可愛いと言い続けてくれたのは、


自分の素敵さに気付けよ。

そんな自分を抱きしめろよ。



そのままであんたはええんよ。

と伝え続けてくれたんやと、今気づく。

そう。今ならわかる。

あたしは、あたしのままでよかったんじゃと。

明日は、そんなお話をするぞよ。

皆様、年度末が近づいてきてお忙しい時期に、あたしのブログを読んでくださり、ほんにありがとうございますよ。多謝!

一途論 3 〜そのままでいて〜 - ゾンビさっちゃんのラブ全開!

 

〜ゾンビより一途な愛を込めて〜

 

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