あたしが動物を飼ったのは、中学1年生の不良時代。
父が拾ってきた茶色のシバ系雑種２匹。あたしはその日、無性に暑くて、窓を開けて風を感じようと顔を外に出していた。すると、父が歩いて帰宅してくるのが見えた。二度見したわさすがに。父の後ろを転がるように走っている毛糸の塊？のようなものが！
いやいやいや待て待て〜い！
犬？？じゃね？
しかも２匹！？
１匹でも大変だし、それほど裕福でもない我が家に家族が一気に増えることを母が許すはずがない。その修羅場を見ようとあたしも玄関先へ降りた。
ただいまあ〜
と父。いつも通りののんびりした口調。
「ほい。お前らも。ただいまや。」
犬にわかるんかい。
と思った瞬間
「キャンん〜」
「はうっ！」
とそれぞれが個性のある鳴き声で応えた。
予想に反して、母は開口一番。
「きゃーーーーー！可愛いーーーーー！どこで拾うてきたんや？」
と父に尋ねたと思ったらその答えを待つことなく、
「あんたらお腹空いとるやろ。ああかわいそうにのう。すぐご飯あげるからねえ。こっちおいで。」
と２匹を両脇に抱えて家にスタスタと入っていったのだ。
玄関先で呆気に取られていた父の顔をまだ覚えている。
帰り道、名前を考えてきたという父。
酒好きだったこともあり、
ゴゾー（雄）ロップ（雌）
になった。
その時は意味もわからず、言いやすいから散歩に出た時も、
「ちょっとゴゾー！ロップ！はーしーるーな！」
と嗜めると、お近所さんは必ず笑った。
五臓六腑。
に染み渡る。酒飲みが使う四字熟語だった。
それを知った時は、さすがにあたしも笑い転げた。父の遊び心と、日本語の美しさと可笑しみが重なって、気に入った。
２匹の犬は、18年間生きた。
ロップが病気になって、肝臓を悪くして手術をしたが、助からず。
そのあと、１週間でゴゾーが後を追うように逝った。
あたしはすでにその時岡山にいたから死目にも会えなかったが、可愛い子犬時代を一緒に過ごしていたので、悲しみは深かった。
母もあたしがいなくなってから、我が子のように可愛がっていたので、それはそれは落ち込んだ。その後、犬は飼っていない。
今回、曲を貼り付けてみた。
よかったら聴いてみて欲しいんじゃ。
茶子（チャコ）
という曲。確か、岐阜県のワンコ好きの方が作詞をされたとお聞きしています。素敵な歌詞。最後、何度聴いても涙が出ます。
実は、このデータ。もらったんじゃが。作曲している方に、無理を言った。我ながらええ度胸してると思ったけど、ある時、あたしの体が緊急事態に陥った時お願いしてみたのさ。
作曲したもの全部聴きたいから、全部送って欲しいと。
断られた。。。恥ずかしいから嫌だと。。。
でも、その方のお友達にお願いしたら、どうやって説得したのかはわからないんだけど、80曲くらいだったかな。。一気にデータが送られてきて(°▽°)そんなにあったんや。。
でもその一つ一つがもう、秀逸で。
どの曲も、趣味で作ったと言うんだけど、、、
いいのよ。マジで。
お歌はお世辞にもすごく上手、とは言えないんだけど（ごめんね＾＾）思いがこもってるというか、味があるというか、とても引き込まれるの。
皆さんにも聴いてほしくて、ここにシェアします。
茶子♪ 2007年作
三角お耳にクリクリお目め
頭ばっかりの三等身
そそっかしい母さんの勘違いで
初めて迎えたワンコは
茶色のぬいぐるみのようだったね
茶色のふかふか女の子
茶子って名付けたよ
ワンコと暮らすのは初めてて
生活全てが大変化
朝夕晩のお散歩で
たちまち街のアイドルワンコ
知らない人ともご挨拶
茶子がいたからたくさんの人と
知り合いになれた
東へ西へとドライブも
お水とおやつとウンチ袋
お出かけどきの三種の神器
どこへ行く時も忘れずに
車の中でもごきげんさん
でも病院だけは大嫌い
なぜかわかって大騒ぎ
歳を取ったら病気の問屋さん
注射点滴薬も飲んで
最後は赤ちゃんに逆戻り
たくさんたくさん頑張ったよね
最後の最期まで 優しい子だった
もう痛くないからね
苦しくなんてないからね
眠るように静かに逝ったね
にじの橋に着いたな
昔みたいに
駆け回ってるのかな
今度会えるまで
そこで笑っていてね
生まれてきてくれて
ありがとう
うちの子になってくれて
ありがとう
17年たくさんの幸せを
ありがとう 茶子
