初めまして。夏世(なつよ)と申します。
え...誰...?
疑問はごもっとも。
実は私も、福井のみぃちゃんの会社スタッフの一人であり、さっちゃん応援団の一員であります。よろしくお願いします!
実は「ゾンビさっちゃんのラブ全開!」の電子書籍化にあたり、その章立てを考えさせていただきました。
章立てを考えるにあたり、さちこさんのブログ記事を全て読んだのですが、魂のこもった祥子さんの言葉、心揺さぶられるエピソード、感涙必至の記事に、文字通り、涙が止まらず困りました。
涙で視界不良の中、ブログ記事を読み進め、ガッツリ感情移入してしまったばかりに、なかなかに困難を極めた章立て・構成の作成。
それでも、あれやこれやと思い悩みながら章立てを考えるのは、とても楽しい時間でした。
何より「電子書籍」という形で「さちこさんの言葉をより多くの人に届ける機会」に関わらせていただけたのは、とても良い経験になりました。
この場を借りてお礼させてください。
ありがとうございます!
そんな私に
2021年12月のある日、社長のみぃちゃんからびっくりするようなメッセージが。。。
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この歌(*夏世注「あんたに」のことです)の歌詞を、中国語訳してもらえないでしょうか。
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「あんたに」は、この企画の中で、さちこさんが作詞し、くまさんが即興で曲を作った歌です♪
歌詞の翻訳なんて、なんとまぁ難しいことをさらりとおっしゃるのかと驚く私は、歌詞を見てさらにびっくり!
方言丸出し(失礼。方言がふんだんに盛り込まれた心温まる詩)じゃないですか!?
方言なんて、他地域出身者に上手くニュアンスが伝わるとは思えないものを、外国語に翻訳するなんて無理難題!
それでもきっと社長は「夏世さんならできる」と信じて依頼してくれたに違いない!
それに、「さちこさんの言葉が、くまさんの歌が、より多くの人に届くきっかけになるのなら!」と腹を括りました。
そう、実は私、今回「あんたに」の歌詞の中国語訳を担当いたしました。
中国語訳の他に、英語訳の作成にも携わる好機をいただきました。
さて。
英語や中国語を学んでおられる日本人の方ならご経験のある方も多いはず。
私は、日本語・英語・中国語、3つの言語間を行き来する生活をしてきて、日本語とこの2つの言語の間には4つの大きな壁があることに気づきました。
まずは語彙の壁。これは異なる言語間なら当たり前にあるものですし、日本語には外国語由来のカタカナ語が多いので、実は対して高い壁ではありません。
次が文法・語順。これは大きな違いで、日本語と英語・中国語を双方向に翻訳しようと思うと、それぞれの言語の構造をマルっと学んだり、理解したりする必要があります。
わぁ難しそう。でも実はこれ。基本の構造がわかっていれば、語彙と文脈・雰囲気などの情報でカバーできちゃったりします。
さてさて難しいのは、日本語ならではの言いたいことを直接言わない点。
かの夏目漱石が英語教師時代に、I love you. を「月が綺麗ですね」と翻訳するよう生徒たちに指導したとかしなかったとか。
愛する人に向かって「愛してるよ」なんて言わないのがいかにも日本語らしい表現。
そして、1つの意味を表現するのにゴマンと表現がある点。
名作「吾輩は猫である」の英語訳が”I am a cat.”なのだと知って、『吾輩』なんて絶妙なニュアンスが英語に反映されないのにがっかりしたのは、私だけではないはず。
それこそ「私」も「あたし」も「わたし」も「わたくし」も「俺」も「オレ」も「おいら」も「吾輩」も「それがし」も。。。こんなにあるのに 英語に翻訳したら ”I” ですもの。
言語の違いは文化的背景の違いでもあるんですね。
さてここでさちこさんの歌詞です。
タイトルからして私を悩ませます。
そう「あんたに」。
「あなた」ではなく「あんた」うーん。
もう仕方がない。英語なら”you”、中国語なら「你」か「您」しかないですし。
「吾輩は猫である」に倣って泣く泣く、for you/ 为你。
絶妙な響きを持つ「あんたに」は、妙にお上品な「あなたに」に置き換わってしまう。
呼べば「はいよ」
ってところも「はい」でも「はーい!」でもなくて、「はいよ」うーん。
続いて
「なんじゃらほい」
いかにもオヤジなセリフなのに、やっぱり「なんだい?」「どうしたの?」なんてお上品な感じになってしまう。。。うーん。
なんぼ当たり散らしても
だって、何故にあえて「なんぼ」?うーん。
寄り合いではいつも会長で/区長で団長で
では、「団長」という言葉に、応援団やバンカラ姿が思い浮かんでは、
まさか、こういうのじゃないよね?と立ち止まり。。。
困っている人を見捨てず/いつもどこか傷ついて
には、困っている人を見捨てないだけなのに、自分も傷つくの?
なんで?どういうこと?とブツブツ質問しながら、しばし。
(以下略)
ひと言ひと言、一行一行、
本当に難しかった。。。
翻訳作業をするのにどれだけ私が「うーん」と唸ったか、録音しとけばよかったと思うくらいに一晩中唸ってました。
そして実は、この中国語訳をするにあたり、台湾出身の私の中国語の先生が、協力してくれました。彼はN1だって持っている、いわゆる「日本語ペラペラな台湾人」です。
※日本語能力試験にはN1、N2、N3、N4、N5の5つのレベルがあります。いちばんやさしいレベルがN5で、いちばん難しいレベルがN1です。
私が翻訳した中国語をネイティブチェックしてくれるのですが、
訳文をチェックするだけでなく、やはり原文に戻るのが翻訳の基本の基本。
そのN1な彼が「うーん。ちょっと意味がわかりませんね」「これはどういう意味ですか?」と連発したこの歌詞。
私は一旦これを標準語に翻訳(!)し、今度は2人でウンウン唸りながら翻訳を進めたのです
日本語ならではの行間の意図を読み解き、温かみのある方言がうまく伝わらないものかと試行錯誤し、かつ中国語圏の方に意図が伝わるように苦心した力作です。
お楽しみいただけると幸いです。
さちこさんの言葉が、くまさんの歌が、
より多くの人に届きますように。願いを込めて。
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さっちゃん脚本による「また会えたときに」
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